元
塞栓源不明の脳梗塞を、ESUS(embolic stroke of undetermined source)とよぶ。
中国での全国的な登録データを用いてESUSの頻度、再発率、死亡率をくわしくしらべてみたそうな。
2015-2018の中国脳卒中登録(CNSR-Ⅲ)で、脳梗塞患者について病因別に比較した。
次のことがわかった。
・標準的検査を経た脳梗塞患者8528人のうち、28.3%がESUSと診断された。
・心原性脳塞栓やラクナ梗塞の患者とくらべて、ESUSでは非狭窄性の主幹動脈アテローム硬化症がおおかった。
・ESUS患者の3ヶ月後、1年後の再発率はそれぞれ、5.59%と8.74%だった。
・3ヶ月後、1年後の死亡率はそれぞれ、ESUS患者は0.70%,1.99%で、主幹動脈アテローム硬化の1.94%,3.22% と心原性脳塞栓4.17%,7.39% のほうが高かった。
脳梗塞のうち、塞栓源不明のESUSは3割近くを占めており、動脈硬化を伴う場合がおおかった、
というおはなし。
感想:
脳梗塞の4割近くはなんだかよくわからない原因で起きていて、潜因性脳梗塞という。そのうち、心臓まわりに原因がありそうなタイプをESUSと言い、心房細動を区別する場合もあるっぽい。
血管を詰まらせているものがどこ由来かは状況証拠からの想像に過ぎないはずで、病因分類はお医者さんの自己満足に思えて興味がもてなかった。
けど、さいきんはパンデミックがらみでナゾの血栓塞栓症がでてきたので関心がある。