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2021年1月8日

軽い脳卒中の遂行機能障害とネットワーク

2020  12月  アメリカ


ちいさな梗塞の脳卒中であっても、患者はしばしばその病変位置によらず、遂行機能障害、たとえば注意力、集中力、処理速度の低下をしめす。

この原因メカニズムをしらべるために脳磁図(MEG)を用いて脳のネットワークダイナミクスを計測してみたそうな。



軽度の脳卒中を発症した患者9人と同年齢の健常者8人について、

モントリオール認知評価(MoCA)と、MEGを用いた脳活性化パターンの計測を 発症から51日後と239日後の2度行った。

MEGでは被験者に視覚的画像および言葉のマッチングタスクを与えた。計測の進行に従いタスクの難度を高めた。

主に視覚野、紡錘状回、側頭葉の活性化パターンを解析した。



次のことがわかった。

・初回、患者のMoCAスコアは有意に低く、反応時間も長かった。

・脳の活性化ピークの強さは有意に低く、かつ梗塞の位置によらず時間的な拡がりをみせた。

・これらのちがいは紡錘状回と側頭葉で顕著だった。

・このパターンはネットワークの障害によるものと考えられた。

・さらに、健常者はタスクの難度に合わせて脳活動が変化したが、

・脳卒中患者ではすべての刺激に対し、同じ低強度の反応をしめした。

・6ヶ月後、患者の認知機能と反応時間が改善したのに対し、グループ間の差はわずかに残っていた。


今回の結果は 遂行機能障害が脳の特定領域に由来するものではなく、広く分布するネットワークの破綻によるものであることを示唆する、


というおはなし。
遂行機能障害とMEG


感想:

アタマにエンジンがかかるまでが大変なんよ。ほんとに。





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