元
ホームレスの心血管疾患リスクは一般人よりも高い。
しかし集団ベースの研究はまだないのでくわしくしらべてみたそうな。
イギリスの一次医療の電子データベースを用いて、1998-2019年の16歳以上のホームレスおよび、年齢 性別をマッチさせた住居のある対照群の記録を抽出した。
心血管疾患(安定/不安定狭心症、心筋梗塞、心臓突然死、心停止、突然の冠動脈死、心不全、一過性脳虚血発作、脳梗塞、くも膜下出血、脳内出血、末梢動脈疾患、腹部大動脈瘤)について、
有病率、発生率、診断1年後の死亡率を推定し比較した。
次のことがわかった。
・併存疾患とリスク因子はホームレスがおおかった。例えば、喫煙78.1% vs. 48.3%、心房細動9.9% vs. 8.6%で、
・心血管疾患11.6% vs. 6.5%、発生率年間1000人あたり14.7 vs. 8.1、
・脳卒中の種類ごとには、一過性脳虚血発作0.6% vs.0.3%、脳梗塞1.1% vs. 0.5%、くも膜下出血0.2% vs. 0.1%、脳内出血0.2% vs 0.1%、
・1年死亡リスクは1.64倍で、発症は4.6年早かった。
・3つの動脈域(心臓、脳、末梢)すべてでホームレスのほうが発症率が高かった。
ホームレスの脳卒中など心血管疾患の有病率、発症率、診断後1年死亡のリスクは高く、発症も早かった、
というおはなし。
感想:
あれほどの厳しい生活環境で、せいぜい2倍の発症に収まっていることに人間の底力を感じる。