元
脳卒中患者の上肢について、両腕トレーニング(BAT)の脳機能測定上の効果を、
通常の運動トレーニングや片腕のみのトレーニング(UAT)と比べた研究のシステマティックレビューをこころみたそうな。
2019年3月までの関係する研究を厳選し、複数のレビュアーがデータを抽出して定性的に評価した。
次のことがわかった。
・6件の研究ではMEPやfMRI測定により、両腕トレーニング(BAT)で一次運動野が活性化されたことが報告された。
・さらにfMRIでの3件の研究ではBATで補足運動野の活性化が示され、別の3件の研究で一次感覚野の活性化が報告された。
・1つの研究では、半球間 半球内の感覚運動ネットワークが通常運動トレーニングよりもBATで強化され、とくに両半球での補足運動野と一次運動野の機能的接続性の強化が顕著だった。
・3件の研究ではBATが損傷脳半球から対側脳半球への抑制性のフローを増加させており、脳梁を介した半球間抑制(IHI)と考えられた。
・しかし、IHIの対称性の点でのUATとくらべたBATの優位性については議論の余地があった。
両腕トレーニングは同側の一次運動野、補足運動野、一次感覚野を活性化する点で片腕トレーニングよりも上肢機能の改善に効果的である可能性がある。さらに、感覚運動ネットワークと皮質運動ネットワークの半球間 半球内の接続性の強化も期待できる、
というおはなし。
感想:
かつて10年くらい前に片腕だけを集中トレーニングする方法が流行ったことがあった。