元
これまで くも膜下出血による死亡者数は脳卒中全体の4%程度にすぎないと考えられてきた。
しかし くも膜下出血死は、病院の外では突然死(心臓死)として扱われることがおおく実際の数はあきらかでなかった。
フィンランドでは1936年よりすべての死因を究明し登録する制度が運用されており、突然死の剖検率は87%におよぶ。
そこで、フィンランドでの死亡原因に占めるくも膜下出血の実際の割合をくわしくしらべてみたそうな。
1998-2017年の死亡事例について解析したところ、
次のことがわかった。
・動脈瘤性くも膜下出血(aSAH)による死亡4277例のうち、56.8%が女性だった。
・このうち48.5%は40-64歳に集中していた。
・この年齢範囲の死亡総数174695例のうち、aSAHは男性が0.9%、女性が1.8%を占めていて、女性では死因の12位だった。
・脳血管死に限ると、aSAHは男性の5分の1、とくに女性の3分の1を占め脳梗塞よりも多かった。
・さらに女性の心血管疾患死の10.2%がaSAHだった。
・aSAHによる死亡は年率1.7-2.2%の減少傾向にあった。
中年女性の動脈瘤破裂によるくも膜下出血での死亡者数はこれまで考えられてきたものよりもはるかにおおく、脳梗塞による死亡者数を上回っていた、
というおはなし。
感想:
日本の調査↓と一致。
つまり くも膜下出血はまれな病気などではなく、脳梗塞と同じかそれ以上の頻度で起きているってこと。
脳梗塞のFAST症状と異なり、くも膜下出血の症状はほとんど頭痛でしかない。おおくは深刻に考えず我慢しているうちに自然と跡形もなく治ってしまう。
そのため病院に担ぎ込まれるのは[超]重症者のみのとなり、みかけ上の死亡率が非常に高くなる。