元
未破裂の頭蓋内動脈瘤はCTやMRIで偶然みつかることがおおく、成人の約3%に存在する。
しかし、一過性脳虚血発作(TIA)や軽度脳卒中患者での有病率のデータは少ない。
これらはリスク因子が共通しているため二次予防治療による破裂リスクの軽減も期待される。
そこで、TIAや軽度脳卒中患者での未破裂の頭蓋内動脈瘤の有病率と破裂リスクについてくわしくしらべてみたそうな。
2011-2020 住民ベースの Oxford Vascular スタディのうち、
TIAまたは軽度脳卒中でCTやMRIによるアンギオ検査を受けた患者を対象とした。
無症候性の未破裂動脈瘤の有無とその後のくも膜下出血の発生をフォローした。
さらにこれまでの関係する研究のシステマティックレビューもおこなった。
次のことがわかった。
・対象患者2013名のうち、4.7%に未破裂動脈瘤がみつかった。
・女性、喫煙、高血圧、が動脈瘤の独立した予測因子であり、これら3つすべてのリスク因子を有する患者の動脈瘤率は11.1%だった。
・フォロー期間中のくも膜下出血発生率は年間1000人あたり2.3人だった。
・システマティックレビューでは頸動脈狭窄または急性脳梗塞患者の未破裂動脈瘤についての19件の研究を対象とした。
・彼らの未破裂動脈瘤の有病率は5.1%、くも膜下出血の発生率は年間1000人あたり4.6人だった。
TIAや軽度脳卒中での未破裂動脈瘤の有病率はおよそ5%で一般人よりもやや高かった。しかし彼らのくも膜下出血発生率は、PHASESスコアの予測に沿っていた、
というおはなし。
感想:
動脈瘤の破裂リスクを評価するPHASESスコア↓。
この表みると 世界一のCT MRI台数を誇る日本人と、突然死の剖検率世界一のフィンランド人がくも膜下出血リスクの別格扱いになっている。
つまりくも膜下出血は「観測者問題」ってこと。
熱心に探査するから発生率が高くなる↓。