元
A register-based SAH study in Japan- high incidence rate and recent decline trend based on lifestyle
2020 3月 日本
日本はくも膜下出血(SAH)の発生率が世界で最も高い(かつ増加している)といわれている。しかし、日本におけるくも膜下出血の全国レベルでの発生率や最近の傾向についての報告はない。
そこで、登録ベースの研究で日本のくも膜下出血の推定全国発生率と最近の傾向を明らかにし,その変化の理由を明らかにしてみたそうな。
厚生労働省および日本脳神経外科学会の記録からデータを作成した。
2003年から2015年までの全国のSAH死亡率の年齢標準化、そして推定SAH発生率をレビューした。
未破裂脳動脈瘤および破裂脳動脈瘤に対する治療回数の傾向、高血圧、喫煙状況、コレステロール低下薬の使用状況を評価した。未破裂脳動脈瘤(UCA)の推定治療率も算出した。
次のことがわかった。
・全国の年齢標準化されたSAH発生率は、年間10万人当たり31.34人から27.63人に有意に減少した。
・この減少は、2010年人口を基準とし、2003年の致命率44%から2015の32%まで毎年1%ずつ減少するとした仮定に基づいて推定された。
・感度分析によると、年齢標準化したSAH発生率の変化は -56.69%~23.27%で、平均値は-30.91%であった。
・未破裂脳動脈瘤(UCA)の治療数の傾向は2003年から2015年にかけて有意に増加した
・しかしながら、その推定治療率は全UCA患者の中で0.19-0.51%にとどまっていた。
・高血圧の有病率および現在喫煙状況は2003年から2015年までの間に有意に減少したが、コレステロール低下薬の使用は同期間に有意に増加した。
日本の全国のくも膜下出血発生率は、最近低下しているものの、他国のそれよりも高かった。生活習慣の改善が日本における発生率の低下に寄与している可能性がある、
というおはなし。
感想:
こういう↓レポートもある。
日本だけ くも膜下出血が激増中! JAMA Neurol.