元
Altered gray matter volumes in post-stroke depressive patients after subcortical stroke
2020 2月 中国
脳卒中後のうつは5年以内に39-52%に起きるという。おもな症状として、抑うつ気分、性欲減退、活力喪失、集中力の低下、無能感、があげられる。
そのメカニズムはいまだあきらかでない。脳の灰白質の体積に変化があるとする報告がいくつかあるが結論は一致していない。
そこで脳卒中後うつ患者の灰白質の体積をきっちりと測定して、うつでない患者とくらべてみたそうな。
皮質下の脳卒中から6ヶ月以上経つ うつの患者23人(12人が左脳損傷)と、
うつでない33人(16人が左脳損傷)について高解像度MRI画像のボクセルベースの解析をおこなった。
次のことがわかった。
・うつグループの左の中前頭回の灰白質体積が非うつグループよりもあきらかに小さかった。
・他の臨床症状を組み合わせると中前頭回の体積からうつになる患者を精度たかく予測できた。
・この体積減少分の61%は下前頭回で、39%は背外側前頭前野でおきていた。
灰白質の体積変化から 脳卒中後のうつには前頭辺縁系が関わっていて、かならずしも脳の損傷位置にはよらないと考えられた、
というおはなし。
感想:
脳の体積変化の過去記事↓。
Neurology誌:若くても血圧がちょっと高いと脳が減る
アパシー患者の脳の体積を測ってみた
患者に毎日好きな音楽を聴かせたところ、脳に構造改革が起きた模様