元
Can auditory cues improve visuo-spatial neglect- Results of two pilot studies
2020 2月 ドイツ
半側空間無視は右脳脳卒中の急性期40%の患者に見られるという。
この治療方法の1つに聴覚刺激(auditory cue)が期待されている。無視が生じる方向に音源があるときに無視症状が改善するという報告があるものの、サンプル数はすくなく、短期の効果についてしかわかっていない。
さらに聴覚刺激の音源が移動する状況下での調査もない。
そこで移動音源をつかった聴覚刺激を繰り返し長期にほどこしたときの半側空間無視の改善とその効果の持続を実験してみたそうな。
脳卒中で半側空間無視の患者25人について、
聴覚刺激グループと従来型の神経心理学的対面治療グループ
にわけて3週間の治療をおこない、治療から3日後の状態を比較した。
聴覚刺激では音楽もしくはオーディオブックいずれか好みの方をステレオヘッドフォンから聴く。
このとき、左右の音量レベルのソフトウェアコントロールにより、音源が右から左へ移動するように聴こえる。音源に注意をフォーカスする訓練を繰り返し、1日あたり30分間これをおこなう。
次のようになった。
・聴覚刺激により半側空間無視の症状緩和が治療終了後も持続した。従来型治療法では効果は持続しなかった。
音源がダイナミックに移動する聴覚刺激の繰り返し訓練により、半側空間無視の症状が改善して効果が持続した。さらなる調査が期待される、
というおはなし。
感想:
これはかんたんに実験できるぞ。
こども脳卒中の聴覚無視について
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