元
Smoking Paradox in Stroke Survivors?
2020 3月 台湾
「喫煙パラドックス」は、心筋梗塞や脳梗塞からの回復良好者が喫煙者におおいことを指し、血栓溶解療法の効果にも同様のパラドックスが見られるという。
喫煙は脳卒中のリスク要因であるにもかかわらずこのような矛盾がみられる原因について いまだあきらかになっていない。
そこで、台湾の2つの大規模調査のデータをつかって、喫煙パラドックスをくわしくしらべてみたそうな。
Taiwan Stroke Registry の脳卒中事例88925人と、
MJ cohort の541047人を15年フォローして得られた1630人ぶんの脳卒中死亡事例
について、3ヶ月後のmRSスコア2以下の回復良好事例と喫煙歴との関連を解析したところ、
次のことがわかった。
・喫煙歴の有無により脳卒中の発症年齢に11年の差があった。喫煙者は60.2歳で発症し、非喫煙者は71.6歳で発症していた。
・喫煙者は脳卒中死亡率が低く、重症度別の3ヶ月後の回復良好者(mRS2以下)もおおかったが、年齢 性別の条件を揃えるとこの差は消えた。
・脳卒中歴のない喫煙者の脳卒中死亡リスクは非喫煙者のおよそ2倍で、脳卒中歴があるばあいそれは7.83倍だった。
喫煙者は非喫煙者よりも11年若くして脳卒中になっており、これが「喫煙パラドックス」の理由と考えられた。喫煙はすぐにやめるべし、
というおはなし。
感想:
若いから回復良かった ってだけのこと。
「虚血コンディショニング説」に期待していたんだけどな。
「喫煙パラドックス」はなかった
nature.com:喫煙と高血圧はくも膜下出血患者に良い
脳梗塞の血管内治療と喫煙パラドックス