元
Motor Imagery Training After Stroke Increases Slow-5 Oscillations and Functional Connectivity in the Ipsilesional Inferior Parietal Lobule
2020 2月 中国
運動イメージ訓練(Motor Imagery Training)やメンタルプラクティスは実際の身体活動をともなわない認知機能上のリハーサル訓練であり、通常の脳卒中リハビリに組合せるとより効果的であるとする報告が数おおくある。
そのメカニズムとして、運動野をふくむ前頭-頭頂ネットワークの機能再編が考えられている。
こんかい、シンプルかつデータ再現性の高い「安静時fMRI」で観測できる灰白質由来のシグナル "Slow-5"(0.01-0.027Hz)に着目して、脳卒中患者での運動イメージ訓練の効果についてランダム化比較試験をこころみたそうな。
慢性期の脳卒中患者24人の上肢機能についてつぎの2グループにわけた。
*運動イメージ訓練+通常リハビリ
*通常リハビリのみ
4週間の訓練ののち、
安静時fMRIから得られる slow-5 が周波数全体へどのていど寄与するのかを示す fALFF(fractional amplitude of low-frequency fluctuations)および機能結合性と、
上肢機能との関連を解析したところ、
次のことがわかった。
・通常リハビリのみにくらべ運動イメージ訓練を加えたグループでは上肢機能がより改善し、損傷脳半球の下頭頂小葉での slow-5 シグナルが増加していた。
・その slow-5 シグナルの増分は上肢機能の改善度と正の相関をしめした。
・また、運動イメージ訓練グループでは下頭頂小葉での機能結合性に変化を生じていて、上肢機能の改善と関連していた。
運動イメージ訓練の効果は下頭頂小葉での slow-5 の増加と機能結合性変化に反映されていた、
というおはなし。
感想:
slow-5って、30秒~1分半の周期の変化をさす。瞑想がのってきたときの呼吸周期がちょうどこのくらいなんだよな。
安静時fMRIでみたTIA脳の異常
脳卒中後うつのfALFF解析