元
Impairments in Emotion Recognition and Risk-Taking Behavior After Isolated, Cerebellar Stroke
2020 2月 オランダ
小脳へのダメージは運動機能の障害につながるとながらく考えられてきた。
これにくわえてさいきんでは高次の認知機能、とくに感情認識に障害が起きることがあきらかになり、「cerebellar cognitive affective syndrom:小脳性認知 情動症候群」 とも呼ばれている。
この状態の患者は「社会認知機能」に問題を抱えるとされ、たとえば他人の感情を読み取り共感する能力の欠如から自然とリスキーな状況判断をしてしまうことが考えられる。
脳卒中によるこれら社会認知機能の障害の研究は前頭葉に関してはおおいものの小脳についてはまだほとんどなされていないのでくわしくしらべてみたそうな。
小脳の脳卒中患者13人と条件の近い健常者106人について、
人の顔から感情を読み取るテスト Facial Expressions of Emotions-Stimuli and Test (FEEST) と、
自動車運転シミュレーションからの危険シーン対応テスト Action Selection Test (AST)をおこない、関連を解析したところ、
次のことがわかった。
・健常者にくらべ小脳の脳卒中患者は、あきらかに感情認識精度が悪く かつ危険な行動をとることがおおかった。
・さらに、恐れの表情を読み取る能力の低下とASTでのリスキーな対応の増加は強く関連していた。
小脳の脳卒中のうち、恐れの表情を読み取る障害のある患者はとくに危険行動をとりがちだった、
というおはなし。
感想:
小脳やられた患者には2度と運転許可を与えてはいかんね。
小脳の梗塞で感情を読み取れなくなる?
鍼治療の「得気」は小脳のはたらきだった