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Executive Dysfunction Related to Binge Drinking in Ischemic Stroke
2020 3月 フィンランド
Binge drinking(酒のむちゃ飲み)は通常飲酒量(エタノール13.5グラム相当)の5倍以上を1度の機会(2時間以内)に飲む場合をさす。
アルコール使用障害(alcohol use disorder)に至らないレベルのむちゃ飲みでも認知機能のとくに実行機能や言語記憶に障害があらわれやすいとする報告がいくつかある。
脳卒中経験者の35-90%は認知機能に障害をもつという。
そこで脳卒中患者でのむちゃ飲み歴の認知機能への影響についてくわしくしらべてみたそうな。
アルコール使用障害のない、18-65歳の脳梗塞患者189人と条件の近い健常者39人について、
むちゃ飲み歴のある者76人と、そうでない者152人のグループにわけた。
彼らに9種類の項目(実行機能、作業記憶、言語記憶、視空間記憶、情報処理速度、運言語機能、視空間機能、推論力、感情状態)の認知機能テストをおこない、関連を解析したところ、
次のことがわかった。
・むちゃ飲み歴は実行機能にあきらかにネガティブな影響があった。
・非むちゃ飲みグループは Stroop Test , Trail Making Test , phonemic fluency test で むちゃ飲みグループよりも有意に優れていた。
むちゃ飲み歴のある脳梗塞患者では、数ある認知機能のうち実行機能がはっきりと劣っていた、
というおはなし。
感想:
アルコール依存症がいつのまにか「アルコール使用障害」に改称されていた。
酒好きの脳をMRIでみると年齢のわりにメリハリのないボーッとした画像になるからその怖さがわかる。たぶんちかいうちにAIが識別できるようになる。
ランセット誌:適量などない!酒は脳卒中のもと
nature.com:ラクナ梗塞の再発予防法「酒を飲む」