元日本人男女の高血圧と脳卒中など心血管疾患のリスクに対するアルコールの影響を調査した大規模研究のレビュー。
Alcohol consumption and risks of hypertension and cardiovascular disease in Japanese men and women
2020 3月 日本
とくにアジア人女性についての研究はこれまでほとんど行われていないのでくわしくしらべてみたそうな。
次のことがわかった。
・年齢や性別にかかわらず、アルコール摂取は高血圧リスクと正の関連があった。
・日本人男性のアルコール摂取と脳卒中および心血管疾患のリスクとの間にはJ字型の関連があり、欧米の研究結果と一致していた。
・女性では、週300g以上のエタノールを大量に摂取すると、脳卒中トータル、脳内出血、くも膜下出血、脳梗塞のリスクが増加した。
・軽度の飲酒では脳卒中のリスクは減少しなかった。
・さらに女性の場合、多量飲酒(1日46.0g以上のエタノール)では冠動脈疾患による死亡リスクが増加したが、軽度飲酒(1日0.1-22.9gのエタノール)では、心血管疾患トータルによる死亡リスクが減少した。
日本人の心血管疾患予防に適したアルコール量は男性ではおよそ1日20g、女性はそれより少ないと考えられた、
というおはなし。
感想:
酒をまったく飲まない群には体の弱いひとが集中していることが「適量飲酒」問題の本質↓。
ランセット誌:適量などない!酒は脳卒中のもと