元脳卒中後の上肢の痙縮にたいして、ボツリヌス毒素の注射とリハビリテーションの組み合わせが効果的であるとすすめられている。
Effects of dynamic lycra orthosis as an adjunct to rehabilitation after botulinum toxin-A injection of the upper-limb in adults following stroke: A single-blinded randomized controlled pilot study
2019 12月 トルコ
しかしどのようなリハビリを組み合わせるべきはよくわかっていない。
ダイナミックスプリントの一種であるライクラ軟性装具(dynamic lycra orthosis)は その素材による保温性、圧力、ストレッチ力により筋緊張を調整し 感覚運動機能を改善する効果があると考えられている。
そこでボツリヌス毒素注射にライクラ軟性装具を組み合わせたリハビリをおこなったときの効果を実験してみたそうな。
発症後3ヶ月以上で上肢痙縮のある20人について、
ボツリヌス毒素注射をし、
ライクラ軟性装具+リハビリテーション もしくは
リハビリテーションのみ
の2グループにわけた。
ライクラ軟性装具は1日8時間着けさせ、3週間のリハビリテーションをおこなった。
次のようになった。
・上肢運動機能(Fugl Meyer upper-limb motor score, Motricity index, Box and Block test, Stroke Impact Scale)、
痙縮度 (Modified Ashworth scale)、
触覚しきい値(touch-detection thresholds of the fingers measured via Semmes-Weinstein monofilaments)、
いずれもグループ間で差がなかった。
痙縮上肢へのボツリヌス毒素注射後のリハビリにライクラ軟性装具を併用してもなんのベネフィットもなかった、
というおはなし。
感想:
そもそもがこれ↓だから。装具のもんだいではないとおもうよ。
Stroke誌:ボツリヌス注射+上肢訓練=効果ゼロ