元
Survival and outcome in patients with aneurysmal subarachnoid hemorrhage in Glasgow coma score 3-5
2020 1月 ノルウェー
くも膜下出血で 意識レベルが低いグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)3-5 やハントヘスグレードⅤに相当する重症の患者は全体の4-24%を占めるという。
これまでは重症の患者は死亡率が高いために積極的な治療はおこなわず保存的措置としてきた。
しかしさいきんは治療技術の進歩から回復が良い患者がふえ、ヨーロッパやアメリカのガイドラインでは早期の脳動脈瘤治療を重症度にかかわらず勧めるようになっている。
これがどのていど事実なのかさいきんのデータから確認してみたそうな。
2002-2012の脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血患者でGCS 3-5相当の患者228人の記録を解析したところ、
次のことがわかった。
・176人(77.2%)が脳動脈瘤の再出血予防術の対象となったが、じっさい手術を受けたのは146人だった。52人(22.8%)は保存処置とされた。
・1年後、65.8%が亡くなっていて、その84.7%は30日以内のことだった。
・死亡率は70歳以上で高かった。
・再出血予防手術を受けなかった者の死亡率は100%だった。
・1年後21.9%は自立生活を送り、4.8%は施設送りだった。
・生存できた78人(34.2%)のうち64.1%は回復良好(mRS0-2)でほとんどが自宅へ帰った。
・就労していた者の14.0%はもとの職にもどることができ、これは生存者の26.3%に相当した。
GCS3-5の重症くも膜下出血患者の1年後死亡率は65.8%と高かったが、生存者の64.1%、全患者の21.9%は回復良好で自宅で生活していた、
というおはなし。
感想:
まさにこれ↓とおなじで、くも膜下出血は「過大評価」された病気。
退院できたくも膜下出血の8割は回復良好
積極治療を旨とする医療機関にあって保存措置にまわされるのは絶対にたすかりそうにない超重症患者を意味する。だから死亡率100%は当然。
Stroke誌:クモ膜下出血で手術をしなかったときの死亡率技術の進歩で助かるようになったのではなくて、意識レベルと再出血 遅延性脳梗塞とは関連がないことがわかってきたため便乗して手術をするようになっただけ。
意識がなかったのに元気になるくも膜下患者