元
Exploring the causal pathway from ischemic stroke to atrial fibrillation- a network Mendelian randomization study
2020 1月 中国
心房細動は不整脈が持続する状態をさし、脳卒中や認知症の原因と考えられている。
脳梗塞で心房細動のある患者の約半数は脳梗塞の発症後に心房細動が発見されている。さらにその半数は心房細動発作が30秒未満しか続かない。
ガイドラインでは心房細動のあるすべての者に抗凝固療法をすすめているが、これら脳梗塞後に心房細動が見つかるばあい心房細動が再発しないケースもあり彼らは不要な出血リスクを負うことになる。
これまでの研究から脳梗塞が心房細動のリスク要因の1つであることはわかっているが、その因果関係はあきらかになっていないので、これをあきらかにするべくメンデルランダム化解析をこころみたそうな。
国際脳卒中遺伝学コンソーシアム(ISGC)の脳梗塞1万人あまりのデータと心房細動ゲノム解析研究国際コンソーシアム(AFGen)の6万人の心房細動データについて、
脳梗塞と心房細動を仲介する因子として インスリン、白血球数、プロカルシトニン、血圧、BMI,ウエスト長、身長 を想定し、
共通する103の一塩基多型を変数としてメンデルランダム化解析をおこなった。
次のことがわかった。
・脳梗塞と心房細動との関連で、仲介因子として血圧との関連があきらかで、
・血圧→心房細動、脳梗塞→心房細動 の因果関係が認められ、
・脳梗塞と血圧とのあいだの因果関係は双方向にあった。
脳梗塞は心房細動のリスクを高め、部分的にそれは高血圧を介して起きていた。高血圧と脳梗塞の因果関係の双方向性から、血圧が原因の心房細動は脳梗塞を介しているとも考えられた、
というおはなし。
感想:
脳梗塞の心房細動は、かなりの患者で原因ではなく結果であって しかも長続きしない軽いものであるということ。
それら全員に抗血栓療法を勧めるものだから、脳内出血患者の4割が抗血栓薬使用者という事態になっている↓。
血液サラサラのおくすりで脳内出血が急成長する
メンデルランダム化解析は 因果関係の解析によく用いられる。
さいきんでは適量な飲酒についての長年の問題をこれで解決した。
ランセット誌:適量などない!酒は脳卒中のもと