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2019年12月13日

Stroke誌:認知予備能と脳卒中後の認知障害


Effect of Cognitive Reserve on Risk of Cognitive Impairment and Recovery After Stroke
2019  12月  韓国

脳卒中のあとの認知障害はめずらしくなくやがて認知症になる者もいる。

認知機能の低下の程度は個人差がおおきく、教育歴や職種、社会経済的要因が影響すると考えられる。

この考え方は認知予備能(cognitive reserve)とよばれ、じっさい認知予備能の低さと脳卒中後の認知機能の低下度は正の相関があるとするメタアナリシスもある。

しかしこれまでの研究のおおくは短期的なものがおおかったので、長期にくわしくしらべてみたそうな。





脳卒中患者7459人について、教育歴、職種をしらべ認知機能(MMSE)スコアを30ヶ月後までフォローした。



次のことがわかった。

・教育歴と職種から推定される認知予備能が低いとあきらかに認知障害になりやすく、

・そのオッズ比は大卒者にくらべ高卒者で1.89倍、中卒者では2.42倍だった。

・管理職や専門職にくらべ熟練肉体労働者のそれは1.48倍、単純労働者では2.01倍だった。

・認知機能を示すMMSEスコアは最初の3ヶ月間に回復し、その後ほぼ平坦になった。

・この回復の傾きは認知予備能によりことなり、高レベルの教育歴 職種ほど回復が速かった。

・とくに高齢者のMMSEスコアは長期に低下傾向にあったが、教育レベルの高い者ほどその低下は緩やかだった。

高い教育歴や職種レベルは脳卒中後の認知障害を緩やかにし、認知機能の速やかな回復をうながす。さらに教育歴は高齢者の認知機能の低下を最小限にする、


というおはなし。

図:教育歴と脳卒中の認知予備能



感想:

MMSE検査はとてもシンプル。教育歴とかまったく関係のない生まれついての基本的な反応をみているだけのように思える。

けれど脳卒中後のMMSEスコアに教育歴がおおきく影響する(上のグラフ)。

基本てきな認知機能であってもそのダメージ耐性はお勉強で鍛えられるってことなんだな。

まいにちのブログ更新は無駄ではないのかもしれん。

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