元
Effects of isometric resistance training on resting blood pressure- individual participant data meta-analysis
2019 10月 オーストラリア
高血圧は心血管疾患の原因となる。
ライフスタイルのうち身体活動レベルをあげることが高血圧管理に有効とされている。
とくにダイナミックな有酸素運動が効果的と考えられているものの、毎回おおくの時間を要するため続かないことや運動機能に制限のある者には向いていない問題があった。
2013年にアメリカ心臓協会が、握力計をギュッと握るだけのアイソメトリック負荷トレーニング(isometric resistance training:IRT)に血圧を下げる効果があるとし、
その後メタアナリシスでも効果が確認され、2017年にはIRTがクラスⅡBのエビデンスレベル推奨度C として高血圧管理のガイドラインに載るようになった。
しかしメタアナリシスでもサンプルサイズや投薬、その他関連要因のバイアスの影響が除ききれていなかったので、
すべての個人レベルのデータ(individual participant data)を統合して解析する より厳格なメタアナリシスをこころみたそうな。
すくなくとも3週間以上のIRTについての研究を厳選して、個人データを抽出し、1ステップ、2ステップアプローチでメタアナリシスしたところ、
次のことがわかった。
・12の研究から326人のデータが得られた。52.7%は降圧薬治療を受けていた。191人がIRTで135人はコントロールだった。
・IRT強度は最大握力の8-30%で、3-12週間継続して行われた。
・血圧改善効果は、1ステップ、2ステップアプローチの順にそれぞれ、
収縮期血圧は -6.22mmHg, -7.35mmHg
拡張期血圧は -2.78mmHg, -3.29mmHg
平均動脈圧は -4.12mmHg, -4.63mmHg だった。
・薬や患者の特徴でIRTの効果は影響されなかった。
握力計をギュッと握るだけのアイソメトリック負荷トレーニングにより血圧を臨床的かつ統計学的有意に下げることができる、
というおはなし。
感想:
同一人物によるこの直後の nature.comの論文↓によると
An evidence-based analysis of managing hypertension with isometric resistance exercise-are the guidelines current?
週3回トータル8分間のテニスボール握りトレーニングで収縮期血圧が6-7mmHg下がり 脳卒中リスク22%低下に相当する効果なんだって。
単なる握りトレーニングがこれほど良いとは、、、
ハンドグリップで脳梗塞が治るというエビデンス