元
The association between oral bacteria, the cough reflex and pneumonia in patients with acute stroke and suspected dysphagia
2019 11月 ニュージーランド
脳卒中で嚥下機能に問題をかかえると食事回数、唾液分泌、歯磨き機会の減少により口腔内や上気道に細菌が繁殖するようになる。
これが誤嚥性肺炎の原因になると考えられている。じっさい彼らへの口腔衛生指導により肺炎率や咳反射感受性が改善したという報告もある。
誤嚥性肺炎の原因菌はおもに、緑色連鎖球菌、肺炎連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、大腸菌、緑膿菌、の6種類が知られている。
そこで、急性脳卒中での口腔内の細菌の種類と量、肺炎率と咳反射感受性との関連をくわしくしらべてみたそうな。
脳卒中で入院して嚥下障害が疑われる患者102人について、入院時、退院時、1ヶ月後に唾液サンプルをとりPCRで細菌の種類ごとに定量分析、また咳反射感受性を測定し 肺炎の発生との関連を解析したところ、
次のようになった。
・口腔内細菌レベルは入院時にもっとも低く、退院時にはやや増加した。
・1ヶ月後までには入退院時にくらべ桁違いにおおきな増加がみられた。
・緑膿菌と肺炎桿菌、大腸菌は健常者からは検出されないが、入院中の患者の22%にこれらが確認された。
・1ヶ月後の細菌レベルと肺炎率に関連が見られたが、咳反射感受性との関連は確認できなかった。
脳卒中患者の口のなかには呼吸器感染症のもとになる細菌がおおいに増殖していた。1ヶ月後の細菌レベルが肺炎リスクと関連があった、
というおはなし。
感想:
しばらく歯磨きできなかったときのガムの差し入れがありがたかった思い出。