元
Exploratory Randomized Double-Blind Placebo-Controlled Trial of Botulinum Therapy on Grasp Release After Stroke (PrOMBiS)
2019 11月 イギリス
脳卒中後の痙縮は屈筋の過剰収縮によりおきる。
これまでボツリヌス毒素A型(onabotulinumtoxinA)が痙縮をやわらげるという報告がいくつもあった。しかしいずれも比較対照群を設けず盲検にもなっていない調査ばかりであった。
この効果を確定するべく、二重盲検のランダム化比較試験 PROMBISトライアルをおこなっていみたそうな。
脳卒中で軽-中程度の上肢麻痺のある発症後1ヶ月以上の患者28人を2グループにわけ、いっぽうにはボツリヌス毒素を1回注射した。
両グループには理学療法を4週間に10セッションおこなった。
この前後での上肢機能、300gのカップをつかみ別の位置で離すまでの時間、および、
痙縮度:modified Ashworth Scale,
上肢運動機能:Action Research Arm Test, Nine Hole Peg Testなど、
生活の質:EQ5D
を計測してくらべたところ、
次のことがわかった。
・注射から5週間後、にぎり-解放時間に両グループであきらかな差はなかった。脳卒中で上肢痙縮患者へのボツリヌス療法にはあきらかな改善効果を確認できなかった、
・他の比較項目についても有意といえる差は確認できなかった。
というおはなし。
感想:
たしかにボツリヌス療法の報告はオープンラベルタイプの実験ばかりで「このテーマはフォローする価値ないな、、、」とは常々おもっていた。
なるほどそのとおりだった。