元
Prevalence of Intracranial Aneurysms in Patients With Systemic Vessel Aneurysms
2019 11月 韓国
動脈瘤は単に局所的な現象ではなく全身性の状態を反映したものと考えられ、その形成には遺伝や炎症など環境要因も関わっているという。
じっさい大動脈瘤/解離の患者には頭蓋内動脈瘤が高率にみられるという報告がある。
他の位置の動脈瘤患者での頭蓋内動脈瘤の率についての報告はほとんどないので大規模にしらべてみたそうな。
韓国の国民健康保険データベース110万人あまりの記録から、
頭蓋外の動脈瘤(大動脈を除く)の患者に頭蓋内動脈瘤が確認できたケースを抽出し 関連を解析したところ、
次のようになった。
・頭蓋外(頸動脈、上肢動脈、腎動脈、腸骨動脈、下肢動脈、前大脳動脈、内蔵動脈、等)に動脈瘤があった患者の25.7%に頭蓋内動脈瘤が確認されていた。
・このときのオッズ比は56.31だった。
・関連要因として脂質異常、高血圧、糖尿病、高齢、男性、がありオッズ比はそれぞれ、7.7, 5.89, 3.48, 1.83, 1.35 だった。
・所得額べつ、障害度べつに解析しても頭蓋外に動脈瘤があった患者の頭蓋内動脈瘤率は高かった。
頭蓋外に動脈瘤のある患者には非常に高率に頭蓋内にも動脈瘤がみつかっていた、
というおはなし。
感想:
Stroke誌に日本の論文が2つあって、
破裂または未破裂の脳動脈瘤をクリップしてもくも膜下出血になるリスクがぜんぜん下がらないのはなぜか?を考察している↓↓↓。
Risk of Subarachnoid Hemorrhage After Surgical Treatment of Unruptured Cerebral Aneurysms
Risk of Recurrent Subarachnoid Hemorrhage After Complete Obliteration of Cerebral Aneurysms
「脳動脈瘤ができやすい全身性の状態があり、たまたまみつかった瘤をクリップでつまんだところで別のところに瘤ができて破裂するからではないか、、、」と言っているのを思い出した。