元
Transcutaneous Auricular Vagus Nerve Stimulation with Upper Limb Repetitive Task Practice May Improve Sensory Recovery in Chronic Stroke
2019 9月 イギリス
迷走神経刺激(Vagus Nerve Stimulation:VNS)は薬が効かないタイプのてんかんやうつの治療に用いられている。
片頭痛や慢性疼痛にも用いられるようになり、慢性期脳卒中での運動機能の改善効果も報告されている。
従来、VNSは頸を走行する神経を刺激するために胸部にバッテリーを含む刺激装置を埋め込む手術が必要だった。
さいきん経皮的VNS装置が開発され実験が簡単にできるようになった。
そこで耳介を走行する迷走神経を刺激する装置(Transcutaneous Auricular Vagus Nerve Stimulation:taVNS)をもちいて、慢性期脳卒中患者の上肢「感覚」の改善効果をたしかめてみたそうな。
発症から3ヶ月間以上経つ患者12人について、
taVNSをしながらの上肢繰り返し訓練300回/1時間を6週間にわたり計18セットおこなった。
taVNSはNEMOS社の(https://nemos.t-vns.com/en/)装置を使用した。
この前後での触覚、固有感覚をFugl-Meyerスコアをつかって評価した(0-12ポイント)ところ、
次のようになった。
・12人中11人に感覚障害があり、そのうち64%で感覚の回復が見られた。(固有感覚が6人、触覚が2人、両方が1人)耳の迷走神経への経皮的電気刺激にくわえた上肢繰り返し訓練で 慢性期脳卒中患者の感覚が回復できるのかも、、、
・運動機能がもっとも回復した患者で感覚も もっとも大きい3ポイントの回復が見られた。
というおはなし。
感想:
NEMOS社のページみると当該装置が4万円未満で買えそう。
手術のいらない迷走神経刺激リハビリの効き目
耳への電気刺激で脳が回復するという根拠について
[迷走神経刺激]の関連記事