元
Therapeutic-induced hypertension in patients with noncardioembolic acute stroke
2019 10月 韓国
脳梗塞の治療には血栓溶解療法や血栓回収療法があるが時間制限があるため適用できる患者はすくない。
これまで脳梗塞患者の血圧を薬で昇圧して脳循環を改善する試みがいくつかなされてきたが いずれもサンプル数がすくなく結論も一致していない。
そこで脳梗塞の昇圧療法についてマルチセンターランダム化比較試験 SETIN-HYPERTENSION(Safety and Efficacy of Therapeutic Induced Hypertension in Acute Non-Cardioembolic Ischemic Stroke)トライアルをやってみたそうな。
非心原性の脳梗塞から24時間以内で通常の血行再建術ができない患者について、
76人を昇圧グループ
77人をコントロールとした。
昇圧グループは薬フェニレフリンでゆっくりと昇圧し、
収縮期血圧が200mmHgをしたまわる範囲でNIHSSスコアが2ポイント以上改善するまで昇圧し続けた。
その上限値を24時間以上維持したのち除々に昇圧を解いていった。
さらに90日後のmRSスコアも評価した。
次のようになった。
・年齢、重症度を考慮してなお昇圧グループのほうが神経症状(NIHSS)スコア、90日後の回復良好者(mRS0-2)割合 ともにあきらかにすぐれていた。
・とくに昇圧グループの88.2%はNIHSSスコアが2ポイント以上改善し、このときの平均収縮期血圧は179.7mmHgだった。
・安全性の面でグループ間にあきらかな違いはなかった。
脳梗塞患者への薬による昇圧療法は安全でかつすぐに神経症状が改善し、長期の回復度も向上した、
というおはなし。
感想:
「血圧が高い」には脳のすみずみにまで血液を巡らせるメリットがある。
それを降圧薬で無理やり下げてしまうとボケがすすむ原因になる、と考えるひとも少なくない。
降圧薬のうちきりが認知症をふせぐ?