元
Median Nerve Electrical Stimulation-Induced Changes in Effective Connectivity in Patients With Stroke as Assessed With Functional Near-Infrared Spectroscopy
2019 9月 中国
正中神経電気刺激(Median Nerve Electrical Stimulation:MNES)は手首をとおる正中神経を経皮的に電気刺激して感覚システムへの求心性のイップットをもたらす神経調節テクニックである。
MNESが脳卒中の皮質可塑性へもたらすメカニズムについてはわかっていないので、機能的近赤外分光(fNIRS)をつかって脳皮質の各部位が働きかける方向を考慮した 実効的結合(effective connectivity:EC)解析からしらべてみたそうな。
脳卒中で右片麻痺の患者20人について、
安静時と
右手首へのMNES時のfNIRS測定をおこなった。
MNESは右手首内側に電極を貼り50Hzのパルスを 筋肉が収縮しかつ我慢できる最大強度で数十秒おきに10分間しげきした。
fNIRSは左右の、前頭前野(PFC),運動野(MC)、後頭葉(OL)、にセンサーをおいた。
次のようになった。
・安静時にくらべMNES時では左右PFCから左OLへの実効的結合があきらかに増え、
・さらに左MCと左OLから右PFCへのカップリング強度も有意に高くなった。
・左PFCから左右の運動野 後頭野へのカップリングも観察され、MNESが病側の前頭前野からの調節を促していると考えられた。
・非損傷脳からの損傷脳MCへのカップリングが低下していた。
麻痺手へのMNESによる感覚運動刺激が脳皮質の機能再編のきっかけになりうると考えられた、
というおはなし。
感想:
いまいちよくわからないけど、単にビリビリするだけではないなにか特別なことが脳におこっていた、ということなんだな。
低周波治療器の電極をそれらしい位置(上図)に貼ればすぐに実験できる↓。
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