元脳卒中による上肢の麻痺はながく続き 効果的な治療法はまだない。
Low-Frequency Brain Oscillations Track Motor Recovery in Human Stroke
2019 10月 アメリカ
運動をおこすタイミングの直前から発生するデルタ波やシータ波は、脳波の運動準備低周波振動(Movement preparatory low-frequency oscillations:LFOs)と呼ばれ脳刺激療法のターゲットとして注目されている。
動物実験ではLFOsと上肢運動機能との関連や、脳への低周波数の電気刺激による運動精度との関連が示されているが人での関連はよくわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。
脳卒中で片麻痺の患者33人と年齢の一致する健常者19人について、
握り動作時の脳波を発症後5日以内、1ヶ月後、3ヶ月後に測定した。
上肢運動機能の回復程度との関連を解析したところ、
次のようになった。
・健常者では動かす上肢と対側の脳半球でLFOsが優勢に確認されたのに対し、急性期脳卒中患者ではそのレベルが38%にまで低下していた。
・患者のLFOsは1→3ヶ月にかけて増加し、手の運動機能(握力、巧緻性)の回復と連動した。とくに3-5Hzのスペクトルに特徴的だった。
脳卒中患者の運動準備低周波振動(LFOs)と上肢運動機能の回復は関連していた。LFOsに相当する脳刺激の影響も実験してみたい、
というおはなし。
感想:
これのこと↓だね。
nature.com:手が動くために必要な脳の低周波活動とは