元
Beneficial Effects of Theta-Burst Transcranial Magnetic Stimulation on Stroke Injury via Improving Neuronal Microenvironment and Mitochondrial Integrity
2019 9月 中国
反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)は、低い頻度では神経活動を抑制し高頻度では活性化すると考えられている。
うつなどの精神疾患にも応用され アルツハイマー病やパーキンソン病ではβアミロイドを減らしBDNFなどの神経促進タンパクを増やす効果が報告されている。
脳梗塞でのrTMSの影響メカニズムをくわしくしらべてみたそうな。
人為的に脳梗塞にしたネズミに3時間後からrTMSの5Hzのバーストパルスを5日間与えた。
この前後での行動、梗塞体積、脳組織の変化を観察した結果、
次のことがわかった。
・行動障害と梗塞体積があきらかに減少した。
・シナプス減少や神経退化も少なくなった。
・グリア細胞の増殖や炎症性サイトカイン、酸化ストレスによる神経ダメージも抑えられた。
・ミクログリア、アストロサイトの型が 傷害性から保護性にシフトした。
・抗炎症性のサイトカインが増加し、ミトコンドリアの細胞膜の健全性が維持されアポトーシス経路が抑制された。
rTMSのシータ刺激による脳虚血へのつよい神経保護作用がしめされた。炎症-酸化-ミトコンドリアの微小環境への改善効果が関係しているようだ、
というおはなし。
感想:
ネズミ頭部に対するヘルムホルツコイルの巨大さ(上図)が気になった。
脳全体を刺激するシータリズムがミクロレベルにいいのか。
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