元
Flow diversion treatment for acutely ruptured aneurysms
2019 9月 オランダ
くも膜下出血で脳動脈瘤の再破裂をふせぐためにコイルを詰める方法がある。しかしコイル手術には破れた脳動脈瘤をさらに傷つけてしまう可能性もある。
さいきん、フローダイバーターというステントを母血管に挿入することで血管内腔を再建して破裂動脈瘤に触れずに塞いでしまう方法が利用できるようになった。
しかしこの方法には血栓による脳梗塞や頭蓋内出血の合併症をおこすリスクもある。
このあたりの安全性情報が少ないのでくわしくしらべてみたそうな。
6つの施設のくも膜下出血でフローダイバーター治療をおこなった患者44例の記録を解析したところ、
次のことがわかった。
・発症から数カ月後、回復良好(mRS0-2)は20名(45%)だった。
・トータルで57件の合併症がおき、そのうち20名(45%)の合併症25件は手術に関係するもの(手術中の血栓による梗塞や血管解離などが5件、手術後の梗塞や脳出血、消化管出血などが20件)だった。
・12名(27%)で永続的な障害となり、5名(11%)で再出血した。8名(18%)が死亡した。
・手術関連の合併症を負った患者は回復不良(mRS3-6)になりがちだった。
・サイズ20mm以上の瘤の再出血率は20mm未満にくらべ、60% (3/5) vs 5% (2/39)で非常に高かった。
・およそ10ヶ月後、アンギオ検査できた患者の93%で完全閉塞が確認できた。
破裂脳動脈瘤へのフローダイバーター治療は 合併症率が非常に高く、再出血率も高かった。合併症を負った患者の予後は悪かった、
というおはなし。
感想:
検索で表示される日本語ページみると良いことしか書いてないんだよ、フローダイバーター。
カテーテル系の治療は素人目にはあんぜんそうだけど実はしくじりがおおい。健康な若年者へのコイルですら致命率はクリップの3倍↓。
未破裂瘤手術の合併症率と致命率 JAMA Neurol.