元
Physical Fitness Training in Patients with Subacute Stroke (PHYS-STROKE)- multicentre, randomised controlled, endpoint blinded trial
2019 9月 ドイツ
トレッドミルをつかった体力トレーニング(physical fitness training)は脳卒中患者の神経可塑性をうながし歩行や日常生活動作を改善すると考えられている。
じっさいアメリカ心臓協会のガイドラインでは、
亜急性期に最大心拍数の55-80%の有酸素運動20-60分間を週に3-5セットおこなうことを勧めている。
しかし亜急性期の体力トレーニングの効果をしらべたこれまでのランダム化比較試験9件のうち実際に効果を示したものは2件のみだった。
そこで体力トレーニングの効果と安全性についてマルチセンター(PHYS-STROKE)トライアルできっちりとしらべてみたそうな。
ドイツ7箇所の施設にて、発症から5-45日
NIHSSスコア8前後の中程度以上に神経症状の重い脳卒中患者200人について、
体力トレーニング105人と
リラクゼーション95人 の2グループにわけた。
体力トレーニンググループは体重支持つきトレッドミル上を最大心拍数の50-60%で25分間歩かせる。
リラクゼーショングループでは心拍に影響のない強度での筋肉緊張を解くエクササイズを25分間おこなった。
両グループともにこれらを週に5回 x4週間継続した。
3ヶ月後の日常生活動作をバーセルインデックスで、最大歩行速度を10m歩行テストでしらべた。
有害事象もフォローした。
次のようになった。
・体力トレーニングはリラクゼーションにくらべ最大歩行速度のあきらかな向上はみられなかった。
・日常生活動作についても差はなかった。
・有害事象は 22 vs. 9件 で体力トレーニングにはっきりと多く、とくに転倒リスクが高かった。
亜急性期の体力トレーニングはまったく効果ないばかりか危険だった。ガイドラインを見直したほうがいい、
というおはなし。
感想:
急性期の運動は効果ないし危険、亜急性期も効果ないし危険。
脳卒中の早期リハビリはがんばる人がバカを見る↓。
Neurology誌:早期リハビリ 気休めにもならない
コクランレビュー:超早期リハビリは効果ないし危ない
【やはり】亜急性期のリハビリは効果ないうえに危険
失語症の早期リハビリ まったく効果ない
超早期リハビリをやってはいけない理由
nature.com:脳卒中の超早期リハビリ やる意味ない
Stroke誌:早期リハビリがんばる意味ない
超早期リハビリで死亡者続出 AVERT続報
超早期リハビリには脳の細胞死を促す効果があった!
ランセット誌:超早期リハビリぜんぜん効果ない