元
Association of Aortic Aneurysms and Dissections With Subarachnoid Hemorrhage
2019 9月 アメリカ
脳動脈瘤と大動脈瘤は 共通するリスク要因はあるものの、その形成メカニズムがまだよくわかっていない。
経験的には大動脈瘤患者に脳動脈瘤がよくみつかるといわれているが、くわしい調査はないのでこれらの関連をしらべてみたそうな。
2008-2015のメディケア受益者1781917人から、
大動脈の瘤や解離のある患者を抽出してくも膜下出血の発生をフォローしたところ、
次のことがわかった。
・全体の1.8%に大動脈瘤または大動脈解離があり、大動脈瘤や大動脈解離があるとくも膜下出血のリスクがあきらかに高かった、
・4.6年前後のフォロー中に0.14%にくも膜下出血があった。
・この発生率は年間10000人あたり9人で、大動脈瘤や解離のない場合は3人だった。
・関連要因を調整したあとのくも膜下出血リスクは1.4倍だった。
というおはなし。
感想:
脳動脈瘤ができやすい全身性の状態があって、そういうタイミングで脳動脈瘤は非常に短期間に発生成長して破裂する。
だから観測可能な脳動脈瘤はすでに安定化している。治療したところで別の瘤ができて破裂するのでくも膜下出血リスクは高いまま。
これは破裂脳動脈瘤の再出血予防治療についてもおなじ↓。
Risk of Recurrent Subarachnoid Hemorrhage After Complete Obliteration of Cerebral Aneurysms