元
Effect of acupuncture at ST36 on motor cortical excitation and inhibition
2019 7月 中国
鍼は伝統中国医学の1つで、鍼刺激の対象になる体の位置(経穴、ツボ)は300箇所以上にのぼる。
そのなかでもST36(足三里)は特に重要で、脳卒中や高血圧、疼痛の治療に用いられている。
通常、鍼の効果は 得気(Deqi)とよばれる独特の統合感覚(sore, numb, full, heavy, dull)として認識される。
そこでST36への反応を 運動誘発電位の点からくわしくしらべてみたそうな。
20人の健常者について、
ST36を刺激 もしくは 少しはずれた位置を(偽)刺激するケースにわけて、
鍼刺激→12分後(鍼除去)→20分後、までフォローして、
得気スコア、
TMSによる運動誘発電位、
短 長潜時皮質内抑制 を測定した。
次のようになった。
・すべての被験者でST36刺激時に得気スコアが高かった。
・運動誘発電位はST36刺激中にあきらかに高く、鍼を抜くと元にもどった。
・得気スコアは運動誘発電位と相関関係にあった。
・短 長潜時皮質内抑制はST36刺激時に高値をしめした。
ST36への鍼刺激は運動野の興奮性を高めた。得気は運動誘発電位に相関し、運動野内の興奮調節機構への影響も確認できた、
というおはなし。
感想:
「得気」これ↓。
鍼治療の「得気」は小脳のはたらきだった