元
Impact of eliminating visual input on sitting posture and head position in a patient with spatial neglect following cerebral hemorrhage- a case report
2019 8月 アメリカ
半側空間無視は損傷脳半球と反対側への注意が極端にすくなくなる症状で、視覚症状について検査されることがおおい。
視覚以外の聴覚、触覚、深部感覚でも半側空間無視は観察される。
また、頭部や体幹、視線の偏りによっても半側空間無視を知ることができる。
これまで 視覚からのフィードバックを減らすことで半側空間無視の症状を軽くできたとする報告がいくつかある。
そこで実験的に半側空間無視の患者の両目を塞いだところ症状が即座に改善した事例があったそうな。
・右脳の基底核と前頭葉に出血をおこした53歳の女性がリハビリ入院してきた。
・左側の麻痺と、視線の右方への強い偏り および姿勢の右方へのきつい傾きをしめしリハビリの実行が困難だった。
・首の可動域は正常。コミュニケーションと認知機能に障害があり視覚検査ができなかったが日常生活の観察から「半側空間無視」と診断された。
・両目遮蔽(binocular occlusion)の直後、頭部位置および体重分布が自発的に左方へもどり、座位での臀部の接地対称性も改善した。
・両目遮蔽を取り除くと3分後には頭部、体重分布、臀部の右方への偏りが戻ってしまった。
・その後は、両目遮蔽をしているほうがリハビリに積極的に参加してくれた。
両目を塞ぐと一時的ではあるものの 半側空間無視患者の姿勢の対称性を瞬時に改善する効果があった、
というおはなし。
感想:
作業記憶容量の低下により視覚刺激を処理しきれないため半側空間無視の症状がひどくなる説↓はただしい。
刺激密度が高いときの半側空間無視