元
Delayed exposure to environmental enrichment improves functional outcome after stroke
2019 6月 中国
脳卒中のあと刺激豊富な環境(enriched environment)に曝すと回復が促されるとする動物実験の報告がおおくある。
これら報告のほとんどは脳卒中の早期に適用したもので、臨床応用を考えると24時間以内の暴露を想定することになり現実的ではない。
では刺激豊富な環境へおくタイミングを遅らせた場合の神経 認知機能、神経形成についてはよくわかっていないので実験してみたそうな。
人為的に右脳を虚血/再灌流したネズミを、5日後から通常環境と刺激豊富な環境の2グループにわけた。
刺激豊富な環境グループには広いケージ、おおくのネズミ、遊具、はしご、ハンモック、トンネルなどを置き、それらの設置を毎日変更した。
水と食事内容は通常環境グループと同じにした。
神経症状テスト:Modified neurological severity score (mNSS)
空間学習 記憶テスト:Morris water maze task
神経形成と分化 移動の観察:Immunofluorescence
発現タンパク質解析:Western blot analysis
をしらべて比べたところ、
次のことがわかった。
・遅れ刺激豊富な環境グループでは神経機能と記憶障害の程度がちいさく、
・海馬の神経形成とシナプス形成がすすみ、
・脳室下帯での神経新生と損傷部位への移動が促された。
・これらにはHDAC2, synapse-associated proteins 、BDNFといったタンパク質の関与が推測された。
脳卒中のあと遅れて刺激豊富な環境に曝したばあい、機能回復が持続し、海馬の神経形成とシナプス形成がすすみ、損傷部位への神経芽細胞の移動が促された、
というおはなし。
感想:
同病の仲間とおしゃべりして、他人にかまってもらいながらひろいスペースを動き回りあとはゲームや本 テレビを見て過ごす。
まんまリハビリ病院の環境なんだな。