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Effect of Cigarette Smoking on Functional Outcomes in Patients with Spontaneous Intracerebral Hemorrhage
2019 7月 アメリカ
脳内出血は年間10万人あたり15-25人におき、死亡と長期障害の率が脳卒中のなかでもっとも高い。
脳内出血から1時間以内に脳組織の炎症がみられ数日から数週間つづく。
喫煙が脳卒中のリスク要因の1つであることはあきらかではあるが、たばこに含まれるニコチンの神経保護作用についてはよく知られていない。
自律神経系のニコチン-アセチルコリン受容体 (nAChR)がコリン作動性抗炎症経路(cholinergic anti-inflammatory pathway)を刺激して脳内出血の神経症状が改善されたとする動物実験がいくつかある。
この効果が臨床的に観察できるものか、たしかめてみたそうな。
2009-2017の脳内出血患者545人ぶんの記録について、
発症直前まで(30日以内)喫煙していた、または
喫煙していなかった(非喫煙者、元喫煙者)、に分けて
90日後の回復が「良好」(mRS 0-2)もしくは「非常に良い」(mRS 0-1)になった率を求め、
バーセルインデックスや院内死亡率との関連も解析したところ、
次のことがわかった。
・60人が直前まで喫煙していた。
・喫煙していなかったグループにくらべ直前まで喫煙していたグループの回復良好率は高く 35% versus 23%、非常に良い率は 25% versus 13% だった。
・非喫煙者とくらべても同様の比率だった。
・これらの違いは患者ごとのもとの状態(年齢など)を考慮すると有意差ではなくなった。
・90日後のバーセルインデックス、死亡率もグループ間であきらかな差はなかった。
ニコチンの神経保護効果があるようにみえるが、実際は喫煙の害がうわまわるようだ、
といういおはなし。
感想:
喫煙グループは患者年齢が10若い(上図)。回復が良くてとうぜんってことかね。
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