元腸脳軸(gut–brain axis)は免疫システムを介した腸と脳の双方向コミュニケーションを意味する。
Persistence of Gut Microbiota Dysbiosis and Chronic Systemic Inflammation After Cerebral Infarction in Cynomolgus Monkeys
2019 6月 中国
脳卒中を経験すると腸内細菌の多様性やそれらの生成物、炎症因子のバランスがおおきく崩れるディスバイオシス(dysbiosis)がみられるという報告がふえている。
しかしこれら研究のおおくはネズミをつかった実験でしかもフォロー期間が短いためヒトへの解釈には制約がおおきい。
霊長類をつかえば免疫システムや遺伝構造、食事形態、神経系、消化管構造がヒトに近くネズミよりも参考になる。
そこでサルをつかって長期に腸内細菌叢の変化をしらべてみたそうな。
カニクイザル12頭のうち8頭を人為的に脳梗塞にした。4頭は手術のみでコントロールとした。
脳梗塞グループは1.5ヶ月後、6ヶ月後、12ヶ月後に解剖して
腸内細菌叢およびその生成物である短鎖脂肪酸(酪酸butylateなど)や
炎症因子(D-lactate, zonulin,LPS, TNF-α,IFN-γ,IL-6)および
腸粘膜を組織分析した。
次のことがわかった。
・脳梗塞のあと腸内細菌の バクテロイデス、プレボテラがあきらかに増加して、フィルミクテス、フィーカリバクテリウム、オスシロスピラ、ラクトバシラスが減少した。
・6,12ヶ月後に腸内で産生される短鎖脂肪酸のおおきな減少がみられた。
・腸粘膜のダメージが確認され、
・調査した炎症因子のほとんどであきらかな増加があり、これらはバクテロイデスの増加と一致していた。
脳梗塞にしたサルで腸内細菌の多様性バランスが崩れ、腸粘膜が損傷し、全身性の炎症が確認された、
というおはなし。
感想:
1年経ってもおおきな影響があるのか。
腸内を整えるべく4月にヨーグルトメーカーを買ってから毎日0.5Lたべている。
すでにうんこ無臭化と便秘無縁を達成した。
脳卒中での腸内細菌の変化
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