元
Reasons for delayed admission after stroke- results of a qualitative and quantitative survey
2019 5月 ドイツ
急性脳梗塞の再灌流治療には時間制限があって早ければ早いほど効果的と考えられる。
ひとつのタイムリミットである4.5時間以内に入院できる患者は全体の3分の1にとどまりその割合は20年間かわっていないという。
一人暮らしや症状が軽いばあいに病院到着が遅れがちであることがわかっていて、早期の入院をうながすための知識を啓発するキャンペーンがおこなわれている。
病院到着が遅れる患者の感情面での要因、たとえば 怖れ、拒絶、遠慮 などとの関連についてくわしくしらべてみたそうな。
まず病院到着に4.5時間以上かかった脳梗塞患者15人に面談して感情面でのテーマ分析をおこないアンケートを作成した。
このアンケートをつかって、
100人の患者(4.5時間以内30人、4.5時間超え70人)について定量評価をこころみた。
次のことがわかった。
・時間内到着にくらべ遅れてきた患者のおおくは、自分自身で症状に気づいていた。
・かれらにもっとも共通した感情は、確信のなさ(uncertainty)と恥ずかしさ(shame)だった。
・そして続くアクションとしてほとんどが 様子見(waiting)をえらんだ。
・彼らの脳卒中に関する知識レベルは中程度であったが知識に自信がないわけではなかった。
・脳卒中知識の情報源として雑誌が51%で医師からが26%だった。
・自由回答式ではない選択式の問いに関しては高い知識レベルを示していた。
自分自身で症状に気づいたあとの恥ずかしさと現状への確信のなさが病院へ遅れるおもな理由だった、
というおはなし。
感想:
「人様に迷惑をかけるな」「他人を巻き込まずに一人で氏ね」といったフレーズをさいきんよく目ににする。
だから手がしびれて舌がもつれるくらいで救急車は呼べない、恥ずかしくて。
nature.com:身内ほど救急車を呼ばないパラドックス
脳卒中なのに救急車を呼ばない理由