元
Effects of pseudoexperience on the understanding of hemiplegic movements in physical therapists- An fMRI study
2019 4月 日本
理学療法士には 観察をとおして患者の身体と心の状態を推し量る能力が求められる。
他者の精神や機能の推測には心の理論(Theory of Mind)から、ミラーニューロンシステムをふくむ脳の領域「Action Observation Network:AON」 および「right Temporo-parietal junction:rTPJ」が関係していることがわかっている。
日常的に片麻痺患者をみている理学療法士は、これら脳の領域(AON,rTPJ)に患者への共感過程(pseudoexperience)でなんらかの変化がおきていることが考えられる。
これを脳機能MRIでたしかめてみたそうな。
脳卒中患者を扱う経験が8年前後のベテラン理学療法士19人と、
片麻痺患者をみたこともない素人19人についてfMRI測定をおこなった。
測定中、被験者には片麻痺患者の麻痺手と非麻痺手の動作ビデオを交互にみせて、
患者の身体機能と心のはたらきに共感するよう促した。
fMRI測定後、その共感内容をこまかくアンケートで確認した。
次のことがわかった。
・素人にくらべ理学療法士のAONおよびrTPJの活動域があきらかにおおきかった。
・理学療法士が麻痺手の動作をみているときのrTPJとAON間の実効的結合がつよかった。
・アンケートによる行動解析では理学療法士の片麻痺患者への共感度は高かった。
理学療法士は日頃の経験により片麻痺をみたときのアクションオブザベーションネットワークと右側頭頭頂接合部のはたらきに変化が生じていた。これが片麻痺患者にたいする共感力を反映しているのかも、
というおはなし。
感想:
素人には麻痺手も非麻痺手も区別がつかないし 関心もない。
だから素人とくらべて差がでたからといって、ベテラン理学療法士の熟達した共感力が脳皮質にあらわれたと考えるには無理がある。
ここは素人相手ではなく お金をもらっているプロ同士、理学療法士1年目の新人さんと比較しなくてはいけない。
→ きっとなんの差もでないとおもうよ。↓
日本の理学療法士はどういう根拠に基づいて仕事をしているのか?