元脳卒中患者のおよそ40%は最初の1年間に転倒を経験し、骨折につながるリスクは一般人の4倍という。
Stepping characteristics during externally induced lateral reactive and voluntary steps in chronic stroke
2019 5月 アメリカ
バランスをくずした際にとっさにステップを踏み出せる能力は転倒予防に重要である。
そこで、外部から動揺をくわえたときのステップの特徴を脳卒中患者についてくわしくしらべてみたそうな。
慢性期の脳卒中で片麻痺の患者10人と 年齢のいっちする一般人10人について、
腰にひもをつけて機械で横方向に瞬間的にひっぱるときのステップを観察した。
踏み出しにようする時間、歩幅、速度等を記録した。
視覚合図にたいして自発的に踏み出す場合も測定した。
踏み出したステップが複数歩になってしまうときの腰ひもの力をバランス限界(Balance tolerance limit:BTL)とした。
BTL時の最初のステップのパターンを次の3つに分類した。
1. lateral step : 引かれた側の足を外へ踏み出す。
2. crossover step : 引かれる側でない足を踏み出しまえでクロスする。
3. medial step : 引かれる側でない足を内側へクロスしない程度に踏み込む。
次のようになった。
・腰ひもを引かれてから反応するまでの時間にグループ間のあきらかな差はなく、自発的に踏み出すよりも速かった。
・脳卒中患者の踏み出し速度はおそく、歩幅はせまかった。
・脳卒中患者のBTLは低く、medial step(内側へのステップ)がおおかった。
両グループともにバランスのくずれへの反応は速かった。脳卒中患者の踏み出しは遅く狭かった。おおくの場合 負荷のかかっていない足を内側へ踏み出していた。これは続く外側への踏み出しに要する大腿関節のトルクを軽減させるためと考えられた、
というおはなし。
感想:
ついさいきん転んだ↓ので関心をもった。
退院後なんども転ぶ患者の割合と特徴