元
Comparison of bilateral and unilateral upper limb training in people with stroke- A systematic review and meta-analysis
2019 5月 中国
脳卒中の上肢麻痺のリハビリテーション方法として片手訓練(unilateral upper limb training)と両手訓練(bilateral upper limb training)がある。
片手訓練は麻痺側の手の課題指向型訓練が相当し、それをさらに集中的におこなうCI療法を含む。
いっぽう両手訓練は健常手とのカップリング効果を期待して麻痺手の改善をはかる方法である。
これまで片手訓練と両手訓練の効果をくらべたメタアナリシスがいくつかなされたが そのいずれもが片手訓練にCI療法を含んでいた。
CI療法は訓練量のおおさとスケジュールの緻密さにより患者の68%が訓練を完遂できず、恩恵をうけるのはわずか20-25%のみという。
さらにその適応基準は非常にきびしく、患者は手首を10度以上伸ばせて親指と他の指が開くことを事前要求される。
結果的にCI療法は軽度の麻痺患者のみが対象になってしまうことから、これをメタアナリシスに含むことはまったく適切ではないと考えられる。
そこでCI療法を除いて、片手訓練と両手訓練についてメタアナリシスをやりなおしてみたそうな。
CI療法をふくまない片手訓練および両手訓練のこれまでの研究を厳選し、データを統合 再解析して、
評価基準
Fugl-Meyer Assessment of Upper Extremity (FMA-UE),
Wolf Motor Function Test (WMFT),
Action Research Arm Test (ARAT)
Box and Block Test (BBT)
について効果を比較したところ、
次のようになった。
・被験者842人を含む21のランダム化比較試験がみつかった。
・片手訓練にくらべて両手訓練はFMA-UEスコアがあきらかに優れていた。
・しかしWMFTの完遂率および WMFT,ARAT,BBTの機能パフォーマンスの点では有意な差は確認できなかった。
両手訓練は運動機能FMA-UEの改善にあきらかに優れていた。しかし巧緻性をしめすWMFT,ARAT,BBTの点で片手訓練と有意な差はなかった、
というおはなし。
感想:
「CI療法は はじめからなかったことにしましょう」←著者が言いたいこと。