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Assessment of backward walking unmasks mobility impairments in post-stroke community ambulators
2019 5月 アメリカ
脳卒中のリハビリで後方歩行(backward walking)を気にすることはすくない。
じっさい長い距離を後方歩行する機会は通常ない。しかし狭い場所や混み合った部屋、ドアの開閉、着席時には短い後方歩行が必要になる。
前方歩行とはことなり後方歩行にはとくべつな視覚情報処理、筋肉活動、エネルギー代謝が必要で、
これら注意需要を反映して脳の感覚運動野と前頭前皮質が通常よりも活発になると考えられている。
健常者は後方歩行をタイムリバースするかのように前方歩行にくらべおおきな変化もなくやってのけるが、脳卒中患者の後方歩行について運動力学的な観察はすくないのでしらべてみたそうな。
平均年齢60の自立歩行できる脳卒中経験者15人と健常者12人について、
前方歩行と後方歩行での動作を3Dモーション解析したところ、
次のことがわかった。
・脳卒中経験者は、前方歩行にくらべ後方歩行の速度、歩幅、歩調が非常に低く、2脚支持時間は長かった。
・脳卒中経験者の後方歩行では股関節の進展と膝の屈曲の変化のおおきさが前方歩行よりもちいさかった。
・健常者は後方歩行で足底屈の減少と背屈の増加がみられたが、脳卒中経験者では背屈の程度はよわかった。
後方歩行をみることで前方歩行では検出できなかった脳卒中経験者の歩行障害を評価することができた、
というおはなし。
感想:
たしかに日常で1-2歩さがるシーンはすくなくない。
でも前方への注意でいっぱいいっぱいで、いきなりさがって人にぶつかるなんてことがよくあった。
後方歩行トレーニングの効果
カニ歩きと後ろ歩き 片麻痺リハビリに効果的なのは、、