元
Perception of the Risk of Stroke and the Risks and Benefits of Oral Anticoagulation for Stroke Prevention in Patients With Atrial Fibrillation- A Cross-Sectional Study
2019 4月 アメリカ
心房細動の患者にとって脳卒中予防はおおきなテーマで、ガイドラインでは CHA2DS2-VAScスコアが2以上のばあい生涯にわたる抗凝固薬の使用をすすめている。
しかし抗凝固薬には出血のリスクがともなう。抗凝固薬をながねん使用している者であってもリスクと効用の理解におおきなギャップがあるという。
そこで、かれらが抗凝固薬にたいして漠然と感じているリスクと 現実との関係をくわしくしらべてみたそうな。
心房細動で通院している患者227人について、
抗凝固薬をつかわなかった場合の脳卒中リスクと抗凝固薬使用による出血リスクについて推定させた。
これらをCHA2DS2-VAScスコアによる脳卒中予測およびHAS-BLEDスコアによる出血予測とで比較したところ、
次のことがわかった。
・CHA2DS2-VAScの平均スコアは4.3、HAS-BLEDスコアは2.3だった。
・心房細動は発作性が53.3%、持続性が46.7%だった。
・ほとんどの患者が脳卒中と出血のリスクを過大評価していて、
・52.9%が脳卒中リスクを年間20%以上とし、(現実はほとんどが10%以下)
・53.5%が抗凝固薬による出血リスクを年間10%以上と考えていた。(現実はほとんどが6%以下)
・90%の患者は抗凝固薬が脳卒中リスクを50%以上低下させるものと考えていた。(おおむね正しいという)
心房細動のほとんどの患者は脳卒中と抗凝固薬による出血のリスクをかなり過大に評価していた、
というおはなし。
感想:
HAS-BLEDスコアには抗血小板薬の有無が変数としてふくまれている。
しかし抗血小板薬の出血リスクは過小評価↓状態なのでこのスコアはあてにならない。
NEJM誌:アスピリンは予防効果ないうえにとても危険
だから抗凝固薬の出血への怖れは過大とはいえないと思うんだ。