元
Long-Term Stroke Recurrence after Transient Ischemic Attack- Implications of Etiology
2019 4月 スペイン
TIA(一過性脳虚血発作)のあと脳卒中がすぐに再発したばあいは、TIAも脳卒中も共通の原因であろうことが容易に想像できる。
しかし年単位の長期の間をおいて脳卒中が再発したばあい、おなじ原因と考えてよいものか実はよくわかっていない。
そこでTIA後の長期の再発とその原因、位置、ダメージについて詳しくしらべてみたそうな。
2005-2016のTIA患者706人について、5年ほどフォローしたところ、
次のことがわかった。
・17.7%に再発がみられ、率は年間100人あたり3.6人だった。
・原因は、複数要因が絡むケースと主幹動脈のアテローム硬化(large-artery atherosclerosis:LAA)が主だった。
・再発の70.4%はTIAの原因と同じもので、LAAが83.9%を占めていた。
・原因不明のTIAのばあい、その再発の62.5%は心原性の塞栓症(cardioaortic embolism )だった。
・再発の59.2%はおなじ位置でおきていた。
・再発の65.6%は、mRSスコアが1以上増えるほどの障害を残すもので、原因によらなかった。
TIAのあとの脳卒中の再発はおもに同じ原因と同じ位置でおきた。しかし原因不明のTIAについては心原性の再発がおおかった。再発ケースの半数以上であらたになんらかの障害が残った、
というおはなし。
感想:
どういうわけか日本人では↓小血管疾患がメインの再発原因。
日本人のTIA再発原因1位は
そもそもTIAは原因がわからないはず。だから原因推定は使用できる検査機器におおきく影響される。
高解像度のMRIやCTの台数が日本に突出しているアンバランスさが、より小さく細かいものに原因をもとめる背景になっているんじゃないかな。