元
Correlation between of small dense low-density lipoprotein cholesterol with acute cerebral infarction and carotid atherosclerotic plaque stability
2019 4月 中国
アテローム性の頸動脈硬化症は急性脳梗塞のおもな原因と考えられ、とくにプラークの安定性が鍵であるとされている。
これまで動脈硬化の数ある要因のうち、LDLコレステロールの影響がもっともおおきいと考えられてきたが、さいきんの研究ではかならずしもそうではないことがわかってきた。
LDLコレステロールは粒子の大きさや含有コレステロール量により さらに数種類に分けることができて、それらのうちとくに小粒子・高密度低比重リポ蛋白(small dense low‐density lipoprotein:sdLDL)コレステロールが いままでのLDLコレステロールよりも動脈硬化をおこす力が強いとする報告がつぎつぎとあがっている。
そこでsdLDLコレステロールと急性脳梗塞およびプラーク安定性との関連を大規模にしらべてみたそうな。
急性脳梗塞患者519人について頸動脈の造影超音波画像と狭窄度から次の3グループに分けた。
1)プラークなし:95人
2)狭窄50%未満+安定プラーク:108人
3)狭窄50%以上+不安定プラーク:316人
血液検査の結果(TC, TG, HDL-C, LDL-C, sdLDL-C)を健常者300人とくらべたところ、
次のことがわかった。
・急性脳梗塞のsdLDLコレステロールは、その量およびLDLコレステロールとの比においてあきらかに健常者よりも高く、独立したリスク要因と考えられた。
・sdLDLコレステロールの量は、不安定プラーク>安定プラーク>プラークなし、の順におおかった。
・sdLDLコレステロールを変数として不安定プラークを予測するROCカーブでは曲線下面積は0.695で、36.80 mg/dLを超えると不安定プラークと考えられた。
sdLDLコレステロールは急性脳梗塞の独立したリスク要因であり、頸動脈プラークの不安定性と正の相関があった、
というおはなし。
感想:
「sdLDLコレステロール」をはじめて知った。