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Relationship between carbohydrate and dietary fibre intake and the risk of cardiovascular disease mortality in Japanese- 24-year follow-up of NIPPON DATA80
2019 4月 日本
炭水化物はひとのおもなエネルギー源である。炭水化物のとりすぎは脂質や血糖の上昇をまねき脳卒中の原因となる。いっぽう炭水化物が少なすぎても総死亡率が高くなるという。
炭水化物をすすんで摂るべきか、制限するべきかについては その質もまた問題にするべきである。
炭水化物は食物繊維と糖質(デンプンや砂糖)から成る。食物繊維には動脈硬化や血糖 コレステロール 血圧を改善する効果が知られている。
そこで、炭水化物の成分ごとに心血管疾患(脳卒中、冠動脈疾患)死亡リスクとの関連を日本人についてくわしくしらべてみたそうな。
30-79歳の男女8925人を24年間フォローした国民栄養調査のデータを使用して解析したところ、
次のことがわかった。
・食物繊維をほとんど摂らないグループに比べもっとも多く摂るグループの心血管疾患死亡リスクは男性で0.64倍だった。女性で有意な関連は確認できなかった。
・脳卒中による死亡リスクに限定すると、食物繊維をほとんど摂らないグループに比べもっとも多く摂るグループの脳卒中死亡リスクは女性で0.61倍だった。男性で有意な関連は確認できなかった。
・炭水化物、糖質、でんぷんと心血管疾患死亡リスクとの関連は確認できなかった。
炭水化物の構成成分の1つである食物繊維を多く摂ると、脳卒中など心血管疾患で死亡するリスクがあきらかに低下する、
というおはなし。
感想:
この調査結果から推奨される食物繊維量は1日に18-20g。
ちなみに日本人の平均摂取量は1952年が20.5gで、2015年は14.5g だったようだ。