元
Somatosensory Deficits After Ischemic Stroke
2019 4月 ドイツ
感覚障害は脳卒中患者の25-85%にみられるという。しかし臨床シーンでは運動機能の回復に重点がおかれるため感覚障害はみすごされることがおおい。
脳卒中後の感覚障害について、その種類、頻度、病変位置との関係、回復過程についての報告はすくないので大規模にくわしくしらべてみたそうな。
急性期の脳梗塞患者101人の両手について、
RASP(Rivermead Assessment of Somatosensory Performance)感覚評価をおこない12ヶ月後までフォローした。
MRIの病変位置との関連を解析した。
RASPでは、
tactile (触覚)と、
proprioceptive(固有感覚)であるpressure(圧力), light touch(軽い接触), sharp-dull discrimination(鋭鈍識別), temperature discrimination(温度識別), sensory extinction(感覚消失), 2-point discrimination(2点弁別), joint position(関節位置) and movement sense(移動感覚)についてテストした。
次のことがわかった。
・59.4%の麻痺側の手にすくなくとも1種類以上の感覚障害があった。脳梗塞患者のおよそ60%になんらかの感覚障害があった。この回復のだいぶぶんは3ヶ月間におきた。一次 二次体性感覚野と島皮質が感覚障害と強く関連していた、
・軽い接触の障害は38.7%でもっとも頻度が高く、
・温度識別は21.8%でもっとも頻度が低かった。
・3ヶ月後、すべての評価項目であきらかな回復が進み、12ヶ月後ではつづく回復度はわずかだった。
・一次 二次体性感覚野および島皮質へのダメージと感覚障害にあきらかな関連があった。
というおはなし。
感想:
いまなお手の触覚や温度感覚が非常に弱い。混んだバスで知らずのうちにどこかのおっさんの手にしっかりと自分の手を重ねていたことがあった。
とても気まずかったおもいで。