元
Deep structural brain lesions associated with consciousness impairment early after hemorrhagic stroke
2019 3月 アメリカ
脳卒中からの意識回復のメカニズムはよくわかっていない。これまで皮質下の、視床、被殻、尾状核、淡蒼球といった構造の重要性が指摘され これに関係する上行性網様体賦活系(ascending reticular activating system :ARAS)や mesocircuit model といった障害と回復のモデルが提唱されている。
そこで脳内出血での皮質下の脳損傷と意識レベルとの関連をくわしく解析してみたそうな。
脳内出血患者158について、入院時のMRIと集中治療室ICUをでる時点での意識レベルとの関連を機械学習アプローチで解析して、
最初のMRI画像からのちの意識回復を予測するモデルを構築した。
次のことがわかった。
・MRI時点で患者の3分の1は意識がなかった。これまでの血腫体積と正中偏位の評価に加え、MRIで病変の深部構造へのひろがりをみることで意識回復の可能性をより正確に予測できるであろう、
・彼らの半数はICUをでるときには意識がもどっていた。
・従来の出血体積と正中偏位の評価に加えて、MRIからみた深部構造への病変のひろがりから意識障害と回復の予測ができた。
・とくに、中脳の脳脚部(midbrain peduncle)と橋被蓋(pontine tegmentum)に病変が及んでいるか否かが予測結果におおきく影響していた。
・今回のモデルで意識回復が予測された患者では機能回復も良好だった。
というおはなし。
感想:
MRIの音がやんだ直後にAIが間髪いれず「意識が戻る確率は3720分の1です」っておしえてくれる世の中は もう すぐそこ。