元
Social cognition impairments are associated with behavioural changes in the long term after stroke
2019 3月 オランダ
脳卒中のあとの行動変容が患者のQoLにネガティブな影響を与えることはめずらしくない。
これら行動の変化は社会的 感情的に不適切なものがおおく、たとえば相手の感情や考えを理解せぬままひどいことを言ったり無視をしたりする。
このような行動変容の背景には社会的認知障害があると考えられ、脳卒中のあと時間が経っても続くものかは わかっていない。それを確認するためのテストと 患者自身の認識および近親者にもアンケートをとってその乖離度を評価してみたそうな。
発症から3-4年経った自立度の悪くない脳卒中患者119人および健常者50人について、
社会的認知能をしる方法として、
*感情認識(Emotion recognition):顔の画像から感情を読み取る。
*心の理論(Theory of mind):漫画から他者の信念を推し量る。
*共感(Empathy):失礼な扱い(faux pas)をうけた者の気持ちを知る。
*行動調整と抑制(Behaviour regulation and inhibition):ヘイリング文章完成法課題。
の各テストをおこなった。
さらに患者自身とその近親者について遂行機能障害アンケート(Dysexecutive Questionnaire:DEX)を行い関連を解析した。
次のことがわかった。
・脳卒中患者の 感情認識、心の理論、行動調整と抑制テストの結果が健常者にくらべあきらかにわるかった。
・DEXスコアの平均値について、自己評価値と近親者評価値とであきらかな違いはなかったが、
・感情認識、共感、行動調整と抑制スコアの低さと近親者によるDEX評価に関連がみられた。
軽度の脳卒中患者であっても社会的認知障害が長期にみられた。これらの障害は近親者の目にもあきらかであり、行動変容の原因と考えられた、
というおはなし。
感想:
その種の能力については脳卒中をやるまえのほうがひどかったとおもう。
頭のはたらきがわるくなったことを自覚しているぶん いまのほうが自らを客観視できるようになった。