元
Incidence and prevalence of dementia associated with transient ischaemic attack and stroke- analysis of the population-based Oxford Vascular Study
2019 2月 イギリス
脳卒中を経験すると認知症のリスクがおよそ10年の加齢に相当するぶんすすむと考えられている。しかし脳卒中の重症度を考慮しての認知症リスクについての調査はほとんどない。
そこで、重症 軽症の脳卒中およびTIA患者の認知症リスクを大規模にしらべてみたそうな。
イギリス オックスフォード住民92728人を10年間フォローした研究データを解析したところ、
次のことがわかった。
・2305人の脳卒中またはTIAの患者が発生した。30%がTIAで70%が脳卒中だった。
・脳卒中以前に認知症と診断された者は225人で、のちの脳卒中の重症度が高い者に多かった。
・残りの2080人のうち432人が脳卒中後5年間に認知症と診断された。
・脳卒中後1年間での認知症率は、重症脳卒中の34.4%、軽症脳卒中の8.2%、TIAでは5.2%だった。
・年齢や性別のおなじ一般人と比べたときの認知症率は、重症脳卒中47.3倍、軽症脳卒中5.8倍、TIA3.5倍で、
・脳卒中やTIAが起きなかった場合の老化に要する年数をそれぞれ25年、4年、2年、先取りしていることに相当した。
脳卒中やTIA後の認知症のなりやすさは重症度によりおおきくことなり、重度の脳卒中のばあい一般人の50倍の認知症率だった。しかし軽症脳卒中やTIAのそれはずっと低かった、
というおはなし。
感想:
脳卒中ゆえに認知症なのか、認知症になるような人が脳卒中になるのか、そう単純ではないようだ。
若年脳卒中患者は脳の老化が10-20年進んでいた