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Efficacy of remote ischemic conditioning on improving WMHs and cognition in very elderly patients with intracranial atherosclerotic stenosis
2019 1月 中国
MRIで観察できる脳の白質病変は のちの認知障害や脳卒中のリスクとされている。
白質病変の原因はよくわかっていない。近年、とくにアジアで脳動脈の狭窄による慢性的な脳の虚血状態が認知障害や脳卒中を起こすとされ、白質病変との関連を示す報告が増えている。
白質病変の有効な治療法はいまだない。
いっぽう腕や脚を一時的に虚血 再還流することにより全身の虚血耐性を高めるとする「遠隔虚血コンディショニング」が注目をあつめ多くの報告があがってきている。
そこで、脳動脈に狭窄のある80代を対象として長期の遠隔虚血コンディショニング(RIC : remote ischemic conditioning)による白質病変および認知機能への影響をくわしくしらべてみたそうな。
頭蓋内の動脈に狭窄のある平均年齢84の患者58人を2グループにわけ、いっぽうにはRICを施した。
RICは、両腕に巻いたカフに200mmHgの圧力をかけ血流を5分間とめ 5分間再還流の5セットを 1日に2回行い、
300日間継続した。
コントロールの偽のRICグループではカフ圧を30mmHgとした。
180日後、300日後の白質病変および認知機能の程度をそれぞれ複数の指標で評価したところ、
次のことがわかった。
・RICグループでは、180日、300日後の白質病変スコアがあきらかに低下した。コントロールグループではこのような低下はみられなかった。
・認知機能スコアは180日、300日後いずれもRICグループで統計学的有意にすぐれていた。
遠隔虚血コンディショニングは超高齢者の白質病変の進行を抑え 認知障害を改善できる有望な治療法かも、
というおはなし。
感想:
これ、なにげにすごいことだと思うんだけど。
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