元片頭痛は若くして始まることがおおい。とくに前兆(閃輝暗点ともいう視界異常)をともなうばあいのちの脳梗塞リスクが高いとされ、若い女性におおくみられるという。
Migraine Age of Onset and Association With Ischemic Stroke in Late Life- 20 Years Follow-Up in ARIC
2019 1月 アメリカ
そこで、前兆付き片頭痛が若いうちに始まった場合に その後の累積効果でより脳梗塞になりやすくなるものなのか、くわしくしらべてみたそうな。
1993-1995年に11592人への片頭痛歴の調査をおこない、
脳卒中の発生を20年間フォローして関連を解析した結果、
次のことがわかった。
・447人に前兆付き片頭痛歴があり、1128人には前兆のない片頭痛歴があった。
・頭痛のないグループにくらべ、50歳を過ぎてから前兆付き片頭痛が始まったグループの脳梗塞リスクはあきらかに高く、2.17倍だった。
・前兆付き片頭痛が50歳未満で始まったグループでは脳卒中との関連はみられなかった。
・前兆のない片頭痛は年齢によらず脳卒中との関連はなかった。
・この間の脳卒中発生率は、前兆付き片頭痛で8.27%、前兆なし片頭痛は4.25%だった。
頭痛なしにくらべ 晩年になってから前兆付き片頭痛がはじまった者の脳卒中リスクがあきらかに高かった。若いうちに前兆付き片頭痛が始まったからといってのちに脳卒中になりやすいわけではなかった、
というおはなし。
感想:
うえのグラフみると 初めての片頭痛の発生時期が50歳をすぎたあたりから急激に脳卒中の可能性がたかまっている。
前兆付き片頭痛が示す「何か」が長年つもりつもって悪さをする というわけではないようだ。